Artisanal Methods

『BEAR'S BOOK』シリーズ

「GIN」について

ジンとは、ベースとなるグレーン・スピリッツ(大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物を原料とした蒸留酒)に、ジュニパーベリー(西洋ネズの実)をはじめとした香草・薬草類を加え、再蒸留して造られるお酒。
17 世紀のオランダで誕生したといわれ、今ではカクテルのベースのお酒として世界中で愛されています。製法はもちろん、香りづけに使用する「ボタニカル」によって個性が際立つので、国内外様々なメーカーが独自のオリジナリティを追求しています。

ボタニカルとは
ジンの香味付けに用いられる植物由来の原料で、ジンを名乗るにはボタニカルにジュニパーベリー(西洋ネズの実)を使用することが必須条件となる。クラフトジンにおいては、その土地由来の原料をボタニカルに使用し、オリジナルの特長や風味を表現することが多い。

世界に誇れるジン造りを目指して

開発当初は全て自己流で製法を考え、個性を追い求めていましたが、完成するものはどれも理想とするジンには程遠い酒質ばかり。そんな中、造り手を原点に帰らせてくれたのが、ある熊本のバーテンダーの方から の一言でした。「もっとシンプルなジンが飲みたい。まずは本場のジン造りを学んだ方が良い」。その言葉をきっかけに、ジンの本場で親しまれてきた製法を取り入れるなど造りを一から見直し、ジンの歴史や文化についても改めて学びました。
4 年の歳月がかかりましたが、今となってはジンの本質に立ち返ったこの時間こそが一番重要だったように思います。

品質、生産へのこだわり

「BEAR’S BOOKシリーズ」は、ボタニカルだけでなく設備と製法にもこだわっています。蒸留設備にはドイツ製の銅製ハイブリッド蒸留器を採用し、スティーピング(浸漬法)とヴェイパー(蒸気抽出法)の二製法で丁寧に仕上げることによって理想の酒質を実現しています。
また、開発責任者が自らイギリスやドイツの蒸留所を訪問することで、本場の製法を取り入れた自社独自の造りを確立させました。

スティーピング方式(浸漬法)
アルコール度数が高い「ベーススピリッツ」と呼ばれる原酒にボタニカルを直に漬け込んで蒸留することで香味を抽出する伝統的な製法。多くのジンで採用されている。

ヴェイパー方式(蒸気抽出法)
ボタニカルをベーススピリッツに漬けこむことなく、蒸留時の蒸気によって香味を抽出する製法。軽快かつ華やかなフレーバーを抽出したい際に採用される事が多い。

ハイブリッド蒸留法
「BEAR’S BOOK」に採用されている蒸留方式。「ハイブリッドスチル」と呼ばれる蒸留器を使用してスティーピング方式とヴェイパー方式を両方行う製法で、素材に合わせた香味を抽出することが出来る。